2015.06.09
👉 2015年4月分からの年金額が改定されました
2015年4月分からの公的年金の年金額が改定されました。公的年金の年金額は、物価・賃金の変動に応じて年度ごとに改定されることになっています。
ところで、もうすぐ6月15日ですね。偶数月の15日といえば、年金の支払い日となります。 年金の支払いは年6回に分けて、偶数月の各15日に前月までの2カ月分の年金が支払われますので、2015年度に改定された年金額(2015年4月分、5月分)は、今月の支払い分から、実際に額が変わることになります。
改正された2015年4月分からの年金額は、
『2.3%(賃金上昇率)-0.5%(特例水準の解消)-0.9%(マクロ経済スライド)=0.9%』 となり、3月分までの年金額に比べ、基本的に0.9%の増額となります。
上の式で示されているそれぞれの数字はどのように決められているのでしょうか?
賃金上昇率ですが、公的年金の年金額の負担と給付の長期的なバランスを保つために、賃金の上昇率が物価の上昇率よりも小さい場合、賃金上昇率で改定することになっています。2015年度の年金額は、賃金上昇率(2.3%)が物価上昇率(2.7%)よりも小さいので、賃金上昇率(2.3%)になります。
次に、特例水準ですが、2000年度から2002年度にかけて、物価が下落したにもかかわらず、年金額を据え置くこと(物価スライド特例措置)を実施したため、法律が本来想定していた年金額(本来水準)に比べ、特別に2.5%高い年金額(特例水準)が支払われていました。この特例水準について、段階的に解消する法律が2012年11月に成立したため、2013年10月からマイナス1.0%、2014年4月からマイナス1.0%が行われ、残りの差を解消するため2015年4月にマイナス0.5%が差引かれます。
最後のマクロ経済スライドは、年金の加入者(現役世代人口)の減少や平均寿命の伸び、さらに社会の経済状況を考慮して年金の支払い金額を変動させる仕組みです。こちらも賃金上昇率と同じように、公的年金の年金額の負担と給付のバランスを保つことが目的で、今回の改正でマクロ経済スライド(マイナス0.9%)による年金額調整が開始されました。
複雑に感じる公的年金ですが、ひとつひとつ見ていくと、現役世代の負担と高齢者への給付のバランスを考えて、年金額の計算式が成り立っていることが分かります。
また、年金受給されている方は、今年度からの払込通知書と昨年度のを見比べていただくと、年金額の変化を感じるかもしれませんね。